-縮小マーケットで生き残る必勝法-
流通アナリストの中井彰人さんの記事をPRESIDENT ONLINEで拝読した
VMDを生業とする当方にとって、西松屋の商品陳列はある意味謎だった
でもこの記事を読んで長年のモヤモヤが吹き飛んだ
西松屋の商品陳列と言えば、壁一面を覆い尽くすフェイスアウトが特徴的で
PPもなければIPルールもない。VPなんてもってのほか
一般的な陳列ラインをはるかに超える高さに並ぶ商品は、お客さまが物干し竿のような長い棒を使って手に取っているのだ(笑)初めてこの光景を目にした時には衝撃的だった
テーマによるゾーニングなどもないため、お客さまは端から順に自分の欲しいと思う商品を探していかなければならない
「買いやすく見やすく選びやすい売場づくり」の真逆をいった陳列方法だ
ところがところが、赤ちゃんの出生数が減少し続けている縮小マーケットの中、なんと西松屋は2024年で30期連続増収を達成されるとのこと!!
「why〜????」
この答えは、中井さんの分析によると「売上追求より、安定運営を守る」効率経営にあった!それを物語っているのは、損益分岐点の圧倒的な低さだ(詳細は元記事ご参照)
一見ブランド力が上に見えるアカチャンホンポはここ数年売上、利益とも右肩下がりという状況で損益分岐点は4倍を超える設定だ
まさに「売らなくていい」店づくり、縮小マーケットで生き残る必勝法だ
つまり、なるべく手間のかからない商品陳列で人件費を抑え、郊外出店により家賃や初期投資を抑える、ママさんがゆったりとお買い物を楽しめない混雑店が誕生した際には、商圏内に追加で出店してしまうそうだ。そんなにガツガツと売らなくても、損益分岐点を低く設定していることで、商売としては利益を出して成り立っていると言うことなのだ
いや〜目から鱗とはこのことだ
壁一面フェイスアウトの理由は、たたみ作業を行わずにスタッフの労力を軽減する為だったのだ。
売上を上げるために、VMD手法を導入していくことが当たり前と思い込んでいた当方としては、VMDに手間をかけないことで利益を出していく商売の在り方、学ばせて頂きました
お店やブランドの為のVMD、いつの間にかVMD自体が目的となっていたような。。。
大きく反省。。。
西松屋の生き残りをかけた必勝法はリーズナブルなベビー関連商品という特性と、限られたマーケットだからこそ通用したということも考えられるが、これからますますブランド淘汰が続くアパレルマーケットでも、今までとは異なる視点や方法でオペレーションやVMDについて考え直す必要があると気付かせていただきました。
ありがとうございました。
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