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特集 現代アート:「 アートのブランディング 」




売場づくりにおけるブランディングは、いかにそのブランドの個性や戦略を店頭でビジュアルに映し出せるかということに尽きる。


一流と言われるブランドは、ショップデザイン、マーチャンダイジング、販促、VMD、接客販売に至るまで、ぬかりない組織的計画のもとに、常にブランディングチェックが行われ、最終的にものすごい相乗効果となってブランド「らしさ」を完成させる。


昨今のアートブームの波に乗り、続々と美大卒の若手アーティストが誕生している中、彼らの中には、まだ自分の「らしさ」を固めきれていない人も多いと言う。それは作品を作り続ける過程の中で、日々積み重なっていくものだろうから、仕方のないことだと思う。


知り合いのアーティストが「生きている間に売れたい」と言っていた。笑

そう、彼らにはそれほどたくさんの時間があるわけでもないのだ。となると、アーティストが所属するギャラリーでは、「らしさ」づくりのバックアップをしなければならない。


そもそも、なぜブランディングが必要かと言えば、ブランドファンを作り、売上を上げるには、人々の記憶に明確に残る個性を明らかにする必要があるからだ。


誰でも知っているアーティストは、作品の個性も明確だが、その人本人の個性も同様にわかりやすい。つまり、売れているアーティストは、作品=その人そのもの、と言っても過言ではないだろう。


今日、一人のアーティストと出会った。





写真を教えながらアーティスト活動を続けている女性で、清々しく初々しく賢くキラキラしているファーストインプレッション!



弱り果て、今にも死にそうなネズミにカメラを向けた時、発作的にシャッターの光に向かっ


てきた生命の一瞬がテーマとなった個展「もっともらしい結末」







鶏卵紙プリントの写真


塩害を受けた樹木の風景、二週間程で薄くなり消えていってしまうらしい。



ネズミの死から受けた衝撃を、消えゆく写真に投影した発想がとても好きだと思った。面白いと思った。何ヶ月もかけて描きあげた絵画もアートなら、アーティストの記憶を映し出す写真も価値あるアート。買った時から作品が変化していくこと、置かれた環境により変化に違いが出ること、最後はなんだかわからない紙になってしまうこと、それはもうそんなことさえ表現してしまうアーティストの生に対する執着を応援するしかないと思った時、購入に至るのだろう。つまりパトロンだ。



帰り道、ふと思ったこと。。。


今回の作品の個性を際立たせるには、教会や神社、あるいは震災後の建物など、人が毎日祈りを捧げるような場で、その場にまつわる写真を展示したら、より鶏卵紙プリントの変化に意味が深まるような...


あるいは、フレームなどに入れずに、自然の中に放置するインスタレーション、住む人のいなくなった空家とか


アートも展示場所や方法によって、作品の持つ強みをわかりやすく見せることができるはず。継続することで、「らしさ」はきっと無駄が削がれ、真の部分が表面化して形作られていくのでしょう。



#鶏卵紙プリント

#space2*3







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