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VMDサポートが必要ないお店:その2

執筆者の写真: 浅海摩紀浅海摩紀

籐の丸テーブルに置かれたアンティークの婦人雑貨



地方に出張に行くと、駅前に小さな帽子屋さんなどを見かける時があリます。

若い人たちにも昭和レトロの魅力が浸透している今、無造作に飾られたウィンドーや何がどこにあるのか、どのようなルールで並んでいるのかよくわからない商品陳列は、なんとかして売ってやろう、かっこよく見せようと言った欲が感じられず、かえって安心して宝物探しをしているような感覚でショッピングができるでしょう。


こういったVMD手法が取り入れられていないお店、実は繁盛店だったりするのです。

その店の2割の優良顧客が8割の売上を作るという「2:8の法則」とも呼ばれるパレートの法則です。一流ブランド等でも、2割の顧客が年間一人1億円以上の買い物をしていたりして、ブランドサイドはそう言った優良顧客を特別におもてなしすることで、顧客の囲い込みを継続的に行なっていく。大変興味深い法則ですよね。


そうそう、つまり帽子屋さんのご主人は、2割のお客さまの頭の形、サイズ、好み、ライフスタイルなどをよーく把握し、ご来店いただいた際にはお茶やお菓子をお出しして、お話を聞いて差し上げる、そんなおもてなしの時間の中で、帽子をオーダーしてもらったりしているようですね。


自分のことを家族のように理解してくれている帽子屋さんとお客さまの間には、家族のような信頼関係が築かれているのでしょう。


小さな駅前の個人店だからこそ可能となる特別なサービス、こちらもまた商売の在り方自体がVMDとなって映し出されているVMDサポートが必要がないお店と言えるでしょう。

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